自営業者や不動産所得がある方が1年間の収支を申告するのに、市役所で行っている方や税務署で行っている方の違いについて分かりますか。申告場所や申告方法によって税制の特例を受けられず、税金が高くなる場合があります。確定申告と市町村申告のどちらで申告したほうが良いかは必ず知っておきましょう。
簡単に説明すると自治体(各市役所・町村役場等)で申告をしている人は、市町村・県民税申告(いわゆる住民税の申告)を行っており、各管轄税務署(署外会場含む)で申告をしている人は、確定申告(所得税・消費税等の申告)を行っています。
※どちらで申告すれば分からない方は、申告時期に届いた通知により確認しましょう。自営業の方は那覇青色申告会へご相談ください。
ただし、申告の案内通知は、自治体や税務署のどちらからも届く場合があります。特に自営業者(事業所得がある方)や不動産所得(家賃収入、貸地、軍用地収入)がある方は、税務署での確定申告を行うことで住民税の申告は不要となる為、とても楽になります。
確定申告だけすれば良い理由とは
税務署での確定申告書提出後に、納税者の申告情報が税務署から各自治体へ送られ、住民税の計算が行われます。そのため、税務署での確定申告を行えば、住民税の申告も行ったことになるのです。
※ごく一部の対象者のみ、市町村へ提出する書類があります。
住民税の申告だけすれば良い人とは
住民税の申告だけで良い対象者は以下になります。
- 収入がまったく無い方(いわゆるゼロ申告)
- 給与所得者が、給与所得以外に20万円以下の別の所得がある人
- 給与所得者が、勤務先から自治体へ「給与支払報告書」の提出がない、又は中途退職などで年末調整をされず、尚且つ源泉所得税が天引きされていない方
- 公的年金受給者で年金以外の所得がある方
また、事業所得や不動産所得が少なく、所得税が課税されない方は住民税の申告だけでも問題ありません。
税務署で確定申告をした方が良い理由とは
住民税申告だけを行っている人は白色申告となります。白色申告の場合、特別控除がなく、税務署へ「青色申告承認申請書」を提出して『青色申告』をする場合と比べて、節税できるポイントがありません。
青色申告で節税できるポイント
- 青色申告特別控除65万円、10万円を適用する事で「課税所得」を小さくすることができる。
- 純損失(赤字)の繰越し控除を適用でき、翌年が黒字の場合に相殺し、節税できる。
- 生計を一にする配偶者や扶養親族への給与を経費にできる(青色事業専従者)。※白色申告の場合、配偶者専従者については86万円控除が限度。
- 家事関連費の経費計上ができる
青色申告・白色申告の比較表はこちら
青色申告 | 白色申告 | |
メリット | ・特別控除65万円、10万円がある。 ※10万円控除の場合、簡易簿記でも良い。 ・青色事業専従者給与を必要経費として算入できる ・純損失(赤字)の繰越しが可能。 ・家事関連費の経費計上 | ・帳簿は簡易簿記で良い ・市町村での申告の場合、簡単に申告できる。 |
デメリット | ・65万円控除適用条件の複式簿記帳簿の難しさ(会計ソフト使用推奨) ・事前に「青色申告承認申請書」「青色専従者給与届出書」等の提出必須。 | ・特別控除が無い ・純損失(赤字)の繰越しができない ・家事関連費が経費として認められる範囲が小さい。 |
白色申告で「家内労働者の必要経費の特例」を受けている方は65万円控除されるが、青色申告の場合、特別控除65万円控除との併用ができるため、場合によっては合計130万円程の控除が受けられます。
家内労働者の特例と青色申告特別控除が併用できる対象者
- 保険外交員さん
- 一人親方
- WEBデザイナーやライターなどの1社のみの下請けしている方など
そのほかにも青色申告の方が節税できるポイントがあります。
自営業をされている方、不動産所得がある方で、毎年住民税の申告だけを行っている方は、節税できるポイントがあるかもしれません。是非、一般社団法人那覇青色申告会へご相談ください。
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