確定申告に必要な簿記とは
事業を行っている方は日々の取引を記録(帳簿記帳義務)があります。その帳簿を作成する際に、簡易簿記、複式簿記の2通りがあります。
簡易簿記とは
現金の収支や商品の増減など、基本的な取引内容の一面からだけ捉えて記帳する方法です。支出や売上を現金で支払い、現金を受け取るなど、家計簿のような帳簿の作成方法が簡易簿記になります。
複式簿記とは
複式簿記とは、お金の動きを両面から捉えます。例えば、何にいくら使ったか、両方の要素(項目)を同時に記帳していきます。複式簿記によって記帳をすれば、お金の増減だけではなく、売上がいくらで、それぞれの経費項目がいくらで、今月の利益がいくら上がったのかなど、常に正確に把握することが可能となります。
※青色申告に必要な簿記はこの複式簿記になります。
複式簿記の基本・流れ
先ずは、仕訳帳(仕訳日記帳)へ、お金の流れ(取引)を「借方」「貸方」に分けて仕訳していき、「貸方」と「借方」の金額バランスを常に完全一致するように記入していきます。
< 仕訳帳 > | |||||
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日付 | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 |
1/4 | 通信費 | 3.500 | 普通預金 | 3.500 | 電話代12月分 |
1/7 | 普通預金 | 58.000 | 売掛金 | 58.000 | A社から売掛金の振込み |
1/10 | 旅費交通費 | 200 | 現金 | 200 | 取引先での駐車場代 |
1/23 | 現金 | 32.500 | 売上高 | 32.500 | B社から日当を貰う |
「借方」と「貸方」がセットとなり、ひとつの取引という事になります。
「借方」「貸方」の記入には一定の決まりがあり、 「借方」は、常に帳簿の左側に位置し、資産の増加・資本の減少・負債の減少・発生する費用を記入していきます。
「貸方」は、常に帳簿の右側に位置し、資産の減少・資本の増加・負債の増加・発生する収益を記入していきます。
複式簿記の仕訳のよくある質問
1.現金払いと預金引き落としの場合の仕訳の違いはなんですか?
簿記の考え方(簡易帳簿も含む)として、「現金」と「預金」は、同じ「お金」でも区分して考えなければなりません。
例えば、手元(レジ、小口現金箱など)にあるお金は「現金」と呼び、銀行等に預けてあるお金は「普通預金」と呼ばれます。
それを元に考えると、経費の支払い方法については、基本的に「現金での支払い」か「口座からの引き落とし(振込)」の二種類しかありません。
【例】携帯の通話料8,000円を支払った
この場合、現金で支払った場合の仕訳は、
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
通信費 | 8,000 | 現金 | 8,000 |
となり、預金通帳から引き落とされた場合は
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
通信費 | 8,000 | 普通預金 | 8,000 |
となります。
2.事業主貸とは?
個人事業者の職場の「現金・普通預金」から個人的な支払いを行った場合に使われる勘定科目です。
【例】事業主自身の生命保険料を仕事用の通帳から10,000円が引き落とされた。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
事業主貸 | 10,000 | 普通預金 | 10,000 |
となります。
後は、「摘要欄」で「○○生命保険料支払い」と記載すればOKです。
3.事業主借とは?
個人事業者の職場の費用を事業主が個人的なお金で支払った場合などに使われる勘定科目です。
【例】職場で使う消耗品2,000円分を事業主が立て替えて支払った。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
消耗品費 | 2,000 | 事業主借 | 2,000 |
となります。
※後日、小口現金等と清算するのであれば、この科目を使わなくてもさしつかえありません。
取引については「通信費」や「売上高」といった項目は「勘定科目」と言い、取引、資産の増減、金銭の流れを、帳簿上では「勘定科目」という形式名称を使って仕訳を行います。
どの勘定科目を使えば良いか分からない方は、勘定科目一覧表をご参考ください
帳簿の種類や複式簿記の帳簿の付け方、具体的な仕訳の内容については次のページをご参考ください
複式簿記による帳簿の記入方法や勘定科目は何を使ったら良いか分からない場合は青色申告会にて、記帳サポートやご相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
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